契約・貸付・負担金・補助金

Jクラブへの委託・貸付・補助はいくら?一次資料で確認した7例

1億5,000万円の委託、5億円の貸付元本、1億1,000万円の利用料金負担。自治体の一次資料から、Jクラブに関わる7件の金額とお金の性質を確認しました。

同じ「支援」でも、委託・貸付・補助は別の取引

自治体とJクラブの間で動くお金には、仕事への対価、返済を前提にした貸付、広告契約、利用料金を下げる負担金、返済不要の補助金があります。金額を比べる前に、何のために、どの段階で計上された数字かを確認します。

ヴィッセル神戸:神戸市の市民スポーツ振興事業1億5,000万円

金額150,000,000円(契約額)

  • 年度:2025年度(令和7年度)
  • 支払・貸付主体:神戸市
  • 相手方:楽天ヴィッセル神戸株式会社
  • 区分:サッカー教室、市民招待、学校派遣などの業務委託

神戸市の特命随意契約結果は、市民スポーツ振興事業を楽天ヴィッセル神戸株式会社へ1億5,000万円で委託したと記載しています。契約日は2025年4月1日です。

公式一次資料: 神戸市「令和7年4月 特命随意契約結果」
資料内の場所:PDF 10ページ、No.27、契約金額150,000,000円。

数字の読み方:これは契約時点の金額です。同じ相手方との球技場管理契約10,872,360円は別の仕事なので、この金額には足していません。

北海道コンサドーレ札幌:札幌市の当初貸付元本5億円

金額500,000,000円(当初貸付元本、千円単位の公表値)

  • 年度:1998年度(平成10年度)から
  • 支払・貸付主体:札幌市
  • 相手方:株式会社北海道フットボールクラブ(現・株式会社コンサドーレ)
  • 区分:クラブ運営会社の経営安定化を目的とする貸付

札幌市の事業評価調書は、1998年度に当初5億円を金利1.1%で貸し付けたと記載しています。後年の資料にも同じ貸付開始年度と当初元本が引き継がれています。

公式一次資料: 札幌市「令和4年度事業評価調書 (株)コンサドーレ貸付金」
資料内の場所:PDF 1ページ、当初貸付金額500,000千円、貸付金利1.1%。

公式一次資料: 札幌市「令和7年度事業評価調書 (株)コンサドーレ貸付金」
資料内の場所:PDF 1ページ、貸付開始年度と当初貸付金額を再掲。

数字の読み方:5億円は返済を前提とする当初元本です。毎年度の貸付残高や返済額を新しい支出として足すと、同じ元本を繰り返し数えることになります。

ガンバ大阪:吹田市のスタジアム利用料金低減負担金1億1,000万円

金額110,000,000円(決算額、千円単位の公表値)

  • 年度:2021年度(令和3年度)
  • 支払・貸付主体:吹田市
  • 相手方:株式会社ガンバ大阪
  • 区分:市立吹田サッカースタジアムの利用料金低減負担金

吹田市の事業別財務諸表は、スタジアム利用料金を下げるための負担金を1億1,000万円と記載しています。包括外部監査資料では交付先が株式会社ガンバ大阪と確認できます。

公式一次資料: 吹田市「令和3年度 事業別財務諸表・サッカースタジアム事業」
資料内の場所:PDF 1ページ、利用料金低減負担金110,000千円。

公式一次資料: 吹田市「令和3年度 包括外部監査結果報告書」
資料内の場所:PDF 282ページ以降、制度概要と交付先。

数字の読み方:指定管理料は0円でも、この負担金は別の制度から支出されています。スタジアム事業全体の決算額や命名権収入とは重ねていません。

ギラヴァンツ北九州:北九州市の支援事業補助金4,000万円

金額40,000,000円(交付額、千円単位の公表値)

  • 年度:2021年度(令和3年度)
  • 支払・貸付主体:北九州市
  • 相手方:株式会社ギラヴァンツ北九州
  • 区分:ギラヴァンツ北九州支援事業補助金

北九州市の監査公表は、財政援助団体である株式会社ギラヴァンツ北九州への2021年度交付額を4,000万円と記載しています。

公式一次資料: 北九州市「監査公表第4号」
資料内の場所:PDF 1ページ、財政援助団体の監査対象表、3年度交付額40,000千円。

数字の読み方:資料の2022年度欄にある0円は6月30日時点の途中値です。2021年度の交付額と、別のホームタウン事業や広報委託は分けています。

大分トリニータ:大分県から運営会社への年間委託料5,078万1,000円

金額50,781,000円(年間総額、千円単位の公表値)

  • 年度:2023年度(令和5年度)
  • 支払・貸付主体:大分県
  • 相手方:株式会社大分フットボールクラブ
  • 区分:大分県からクラブ運営会社への委託料

大分県の外郭団体資料は、2023年度に株式会社大分フットボールクラブへ支払った委託料の年間総額を5,078万1,000円と記載しています。

公式一次資料: 大分県「令和6年度 外郭団体の経営状況等」
資料内の場所:PDF 66ページ(資料内65ページ)、令和5年度の県委託料50,781千円。

数字の読み方:資料に並ぶ主な5つの委託は年間総額の内訳です。内訳を年間総額へもう一度足さず、金額が書かれていない施設使用料の減免も円換算していません。

モンテディオ山形:山形県のユニフォームスポンサー負担金4,584万円

金額45,840,000円(千円単位の公表値)

  • 年度:2024年度(令和6年度)
  • 支払・貸付主体:山形県
  • 相手方:株式会社モンテディオ山形
  • 区分:県産米ブランドを掲出する広告契約

山形県の外部評価個票は、モンテディオ山形分の県負担上限を4,584万円、別チーム分を280万1,000円とし、親事業4,864万1,000円を100%執行したと記載しています。2件の合計が親決算と一致するため、モンテディオ分を確認できます。

公式一次資料: 山形県「プロスポーツ支援事業費 外部評価個票」
資料内の場所:PDF 1ページ、県上限45,840千円と2,801千円、親決算48,641千円、執行率100%。

数字の読み方:クラブ別の実績額が一行で書かれた資料ではなく、2件の上限合計と親決算、執行率から確かめた金額です。親決算や官民スポンサー総額を別に足していません。

高知ユナイテッドSC:高知県の活動支援補助金4,394万5,000円

金額43,945,000円(交付決定・概算払い済み、精算前)

  • 年度:2025年度(令和7年度)
  • 支払・貸付主体:高知県
  • 相手方:株式会社高知ユナイテッドスポーツクラブ
  • 区分:高知県サッカークラブ活動支援補助金

高知県の事業執行計画書は、変更後の交付決定額を4,394万5,000円とし、3回の概算払い1,900万円、423万円、2,071万5,000円を記載しています。3回の合計は交付決定額と一致します。

公式一次資料: 高知県「令和7年度 事業執行計画書」
資料内の場所:PDF 69ページ、変更後交付決定43,945千円と3回の概算払い。

公式一次資料: 高知県「令和7年12月補正予算資料」
資料内の場所:補助先を株式会社高知ユナイテッドスポーツクラブと記載。

数字の読み方:実際に概算払いされた合計ですが、最終的な精算額ではありません。寄附受入額、県の出資5,000万円、別の観光委託はそれぞれ別の資金なので、この補助金へ足していません。

契約額、貸付元本、決算額、概算払いを一つの合計にしない

7件はすべて自治体の一次資料で金額を確認できます。ただし、契約額は業務の対価、貸付元本は返済を前提とする資金、補助金は返済不要の支出です。概算払いは精算前の金額です。性質が違うため、このページでは合計額や順位を作っていません。

補助金・委託料・広告料・貸付の違いは自治体によるJクラブ支援の種類、年度総額と内訳を重ねない基準は同じ公費を二重に数えない方法で説明しています。