クラブ運営法人への支払と施設関連費

Jクラブに関わる公費・施設費はいくら?一次資料で確認した8例

自治体の決算、契約、監査資料から、クラブ運営法人への支払6件と、スタジアムに関わる支出2件を確認しました。金額だけでなく、親額や内訳との重複、監査で指摘された点まで一緒に読めます。

クラブへの支払6件と、スタジアムに関わる支出2件

活動支援、ホームゲーム運営、健康事業、記念品製作など、自治体からクラブ運営法人へ直接支払われた6件を確認しました。FC今治と鹿島アントラーズの2件は、クラブの運営費ではなくスタジアムの建設・修繕に関わる支出です。

補助金、負担金、委託料、施設費は使い道も会計上の意味も違います。各資料の名称と区分を保ったまま、一件ずつ掲載します。

FC今治:今治市からスタジアム建設事業費7,102万1,000円

  • 年度:2024年度(令和6年度)
  • 支払主体:今治市
  • 受取先:株式会社今治.夢ビレッジ
  • 金額:71,021,000円(支出済額)
  • 区分:スタジアム建設事業費(決算書の節:負担金補助及び交付金)

今治市の一般会計決算書は、FC今治サッカー専用スタジアム建設事業費の支出済額を7,102万1,000円と記載しています。6月補正4,273万4,000円と12月補正2,828万7,000円の合計とも一致します。

公式一次資料: 今治市「令和6年度 一般会計決算書」
資料内の場所:PDF 180ページ(全205ページ、冊子350〜351ページ見開き)、「FC今治サッカー専用スタジアム建設事業費」71,021,000円。

公式一次資料: 今治市「令和6年度6月補正予算の概要」
資料内の場所:同事業費42,734千円、事業主体「株式会社今治.夢ビレッジ」の欄。

公式一次資料: 今治市「令和6年度12月補正予算の概要」
資料内の場所:同事業費28,287千円、事業主体「株式会社今治.夢ビレッジ」の欄。

重ねて数えないための確認:企業版ふるさと納税などの寄附受入額や、基金への積立・取崩額は、この決算額へ足していません。寄附の受入と、その財源を使った支出は同じ資金の流れだからです。

鹿児島ユナイテッドFC:鹿児島市から運営法人へ3,300万円

  • 年度:2018年度(平成30年度)
  • 支払主体:鹿児島市
  • 受取先:株式会社鹿児島プロスポーツプロジェクト
  • 金額:33,000,000円(決算内訳)
  • 区分:プロスポーツチーム活動支援

鹿児島市の事業概要一覧は、プロスポーツチーム活動支援の決算額を3,600万円とし、その内訳を鹿児島ユナイテッドFCの運営会社3,300万円、鹿児島レブナイズの運営会社300万円と記載しています。

公式一次資料: 鹿児島市「商工業振興プランに係る事業概要等一覧(平成30・31(令和元)年度)」
資料内の場所:PDF 7ページ(Web表記6ページ)、No.60、平成30年度決算36,000千円と運営会社別内訳33,000千円・3,000千円。

重ねて数えないための確認:ここで示すのは鹿児島ユナイテッドFC運営会社分の3,300万円です。2チーム分の親合計3,600万円は重ねていません。

いわきFC:いわき市からホームゲーム運営負担金500万円

  • 年度:2024年度(令和6年度)
  • 支払主体:いわき市
  • 受取先:株式会社いわきスポーツクラブ
  • 金額:5,000,000円(市負担金)
  • 区分:ホームゲーム開催運営負担金

いわき市監査委員の報告書は、16試合を対象としたホームゲーム開催運営事業の収支に、市負担金500万円を記載しています。事業収入合計7,644万1,072円のうち、市が負担した部分です。

公式一次資料: いわき市監査委員「令和7年度 行政監査結果報告書」
資料内の場所:PDF 48〜49ページ(冊子47〜48ページ)、No.10、令和6年度収支決算の市負担金5,000,000円。

重ねて数えないための確認:監査は、負担金を支出する理由と算定根拠を明記した文書がなく、補助金との区別も曖昧だと指摘しています。500万円という支払額は確認できますが、制度の説明にはこの監査意見が残ります。

ブラウブリッツ秋田:秋田市から活動支援補助金1,100万円

  • 年度:2021年度(令和3年度)
  • 支払主体:秋田市
  • 受取先:株式会社ブラウブリッツ秋田
  • 金額:11,000,000円(決算額)
  • 区分:スポーツホームタウン推進事業活動支援補助金

秋田市の包括外部監査報告書は、ブラウブリッツ秋田への補助金を1,100万円と記載しています。クラブ提出の収支決算書では、ユニフォーム広告費900万円と試合会場広告費200万円に充てたとされています。

公式一次資料: 秋田市「令和4年度 包括外部監査結果報告書」
資料内の場所:交付先はPDF 74ページ(冊子70ページ)、補助先別決算11,000千円はPDF 77ページ(冊子73ページ)、監査指摘はPDF 80〜83ページ(冊子76〜79ページ)。

重ねて数えないための確認:監査は、補助対象経費の規定がないこと、予算書と決算書が1円単位まで一致すること、市が請求書や領収書で実支出を確認していないことを指摘しています。交付額は確認できますが、報告された使途には監査上の留保があります。

徳島ヴォルティス:美馬市から健康プログラム委託費621万6,160円

  • 年度:2023年度(令和5年度)
  • 支払主体:美馬市
  • 受取先:徳島ヴォルティス株式会社
  • 金額:6,216,160円(年度支払額)
  • 区分:SIBコンディショニングプログラム委託費

美馬市の事業総括報告書は、徳島ヴォルティス株式会社を受託者とし、2023年度の支払合計を621万6,160円としています。支払は固定分と2つの成果連動分で構成されています。

公式一次資料: 美馬市「美馬市版SIBヴォルティスコンディショニングプログラム 事業総括報告書」
資料内の場所:受託者はPDF 10ページ(報告書7ページ)、2023年度支払額はPDF 21ページ(報告書17ページ)。

重ねて数えないための確認:2023年度の固定分と成果連動分は、この621万6,160円の内訳です。年度合計へもう一度足さず、5年間の支払総額とも重ねていません。

ガンバ大阪:吹田市からビブス製作・配布の委託料1,563万9,525円

  • 年度:2020年度(令和2年度)
  • 支払主体:吹田市
  • 受取先:株式会社ガンバ大阪
  • 金額:15,639,525円(決算額)
  • 区分:市制80周年記念ビブス製作配布事業の委託料

吹田市の単独随意契約一覧は、市制80周年記念ガンバ大阪ビブス製作配布事業の委託先を株式会社ガンバ大阪、決算額を1,563万9,525円と記載しています。

公式一次資料: 吹田市「令和2年度 決算額が500万円以上の単独随意契約一覧 第2版」
資料内の場所:PDF 3ページ、No.49、委託先「株式会社ガンバ大阪」、決算額15,639,525円。

重ねて数えないための確認:同じ資料に載る別の周年事業やガンバ大阪関連契約は別件です。ここではNo.49の契約額だけを示しています。

鹿島アントラーズ:茨城県からスタジアム修繕委託4億7,144万2,000円

  • 年度:2020年度(令和2年度)
  • 支払主体:茨城県
  • 受取先:株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー
  • 金額:471,442,000円(修繕工事分)
  • 区分:県立カシマサッカースタジアム修繕工事の委託

茨城県の公の施設等運営状況報告書は、県立カシマサッカースタジアムの修繕工事を指定管理者へ委託し、2020年度の修繕工事分を4億7,144万2,000円と記載しています。委託先は指定管理者の株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーです。

公式一次資料: 茨城県「令和7年度 公の施設等運営状況報告書」
資料内の場所:修繕工事の委託はPDF 36ページ(資料5ページ)、2020年度471,442千円はPDF 38ページ(資料7ページ)。

重ねて数えないための確認:クラブが自由に使える運営補助ではなく、県有スタジアムの修繕委託です。大規模修繕総額508,475千円、指定管理者の収入、維持管理費にも含まれるため、それらとは重ねていません。

ガイナーレ鳥取:鳥取市から運営法人へ186万6,000円

  • 年度:2024年度(令和6年度)
  • 支払主体:鳥取市
  • 受取先:株式会社SC鳥取
  • 金額:1,866,000円(交付実績額)
  • 区分:ガイナーレ鳥取力向上事業費

鳥取市の補助金等交付実績一覧は、ガイナーレ鳥取力向上事業費の最終予算額を206万4,000円、株式会社SC鳥取への実績額を186万6,000円と記載しています。ここでは支出枠ではなく実績額を示します。

公式一次資料: 鳥取市「令和6年度 補助金等交付実績一覧(一般会計)」
資料内の場所:PDF 8ページ、最終予算額2,064,000円、実績額1,866,000円、交付先「株式会社SC鳥取」。

公式一次資料: 鳥取市「補助金等の交付状況の公表」
資料内の場所:令和6年度の一般会計一覧へのリンク。掲載ページの更新日は2026年8月7日。

重ねて数えないための確認:同年度の市事業実績317万9,000円は、この直接交付を含む親額の可能性があるため足していません。PDF内に公表日はなく、2026年8月7日は掲載ページの更新日として区別します。

金額の大小だけでなく、何に支払ったかを見る

同じクラブ運営法人が受け取ったお金でも、活動への補助と、自治体が依頼した業務への対価では意味が違います。さらに、今治と鹿島の2件はスタジアムの建設・修繕に使われた施設関連費です。支払主体、受取先、年度、金額に加えて、区分と使い道まで確認すると、数字を取り違えずに読めます。

補助金・委託料・施設整備の分け方は自治体によるJクラブ支援の種類、寄附や親額との重複を防ぐ基準は同じ公費を二重に数えない方法で説明しています。

スタジアムの整備費、維持管理費、指定管理料に絞った具体例は一次資料で確認したスタジアム・施設費8例で紹介しています。