自治体支援は名称より中身を見る
「地域振興」「スポーツ振興」「ホームタウン事業」と書かれていても、支払の中身はさまざまです。返済不要の補助、仕事への対価、広告枠の購入、施設利用料の減免では、自治体とクラブの関係が異なります。
税リーグでは、制度名や事業名だけでまとめず、支払者、受取者、契約の目的、対象年度、金額の段階を記録します。クラブの運営法人、関連会社、指定管理の共同事業体も別の主体として確認します。
補助金・委託料・広告料を分ける
補助金・交付金
自治体が事業費の一部を支えるお金です。交付要綱、申請、交付決定、実績報告、精算の資料から、上限額ではなく実際に確定した額を確認します。
委託料
自治体が広報、交流事業、健康づくり、イベント運営などの仕事を依頼し、その対価を支払うものです。支援の側面があっても、契約上は業務の対価なので、補助金と分けます。
広告料・協賛料
ユニフォーム、スタジアム看板、試合会場、広報物などの広告枠を自治体が購入する場合があります。掲出内容、期間、契約相手、広告効果の検証資料を確認します。
減免・貸付・出資は金額の意味が違う
施設使用料や行政財産使用料の減免は、自治体から現金を振り込む支出ではありません。それでも、本来の料金と実際の負担額の差を確認できれば、公費との関わりとして別に示せます。
貸付金は返済を前提とし、出資金は自治体が株式や持分を持つためのお金です。返済不要の補助金と合算せず、残高、返済条件、持分、配当などを確認します。債務保証も現金支出とは別のリスクとして扱います。
施設整備・運営はクラブ収入と分ける
自治体がスタジアムや練習場を整備しても、その工事費全額がクラブの収入になるわけではありません。施設の所有者、利用者、用途、クラブが専用利用できる範囲を確認します。
クラブや関係法人が指定管理者である場合も、指定管理料は施設全体の運営費であることがあります。クラブ部門へ渡る金額、施設会計、自治体が別に負担した修繕費を分けます。指定管理料と共同事業体の見方とスタジアムの建設費・維持費で詳しく説明しています。
寄附と企業版ふるさと納税は支払者を確認する
個人や企業から自治体への寄附は、自治体からクラブへの支出とは資金の向きが逆です。自治体が受け取った後、クラブや施設に関わる事業へ充当する場合は、寄附の受入と自治体の支出を別の出来事としてつなぎます。
内閣府の企業版ふるさと納税は、企業が地方公共団体の地方創生事業へ寄附する制度です。対象事業名にスポーツやクラブが含まれていても、寄附額と自治体からの支出額が同じとは限らないため、事業の決算まで確認します。
寄附の受入、基金への積立、補助金や工事費への支出をつなぐ具体例は企業版ふるさと納税のお金の流れで説明しています。
自治体支援を確認する一次資料
- 予算書、決算書、主要施策の成果説明書。
- 補助金の交付要綱、交付決定、実績報告。
- 委託・広告・協賛の契約結果、仕様書、契約書。
- 施設条例、使用料表、減免基準、利用実績。
- 出資法人の事業報告、貸付残高、債務保証の資料。
- 議会会議録、委員会資料、監査資料。
資料は1種類で決めず、予算、契約、実績、決算を順につなぎます。具体的な探し方は自治体の一次資料でJクラブの公費を調べる方法にまとめています。