整備、運営、指定管理、周遊事業の8件
県から市への改修補助、市が整備した公共サッカー場、施設全体の運営費、指定管理料、スタジアムを核とした観光事業まで、資料上の区分はさまざまです。金額の名称と支払先をそろえて、一件ずつ見ていきます。
同じ施設でも、親事業の総額と内訳、複数年度の提案額と単年度実績、自治体からの支払と指定管理者から自治体への納付は別の数字です。各事例に、重ねて数えない範囲も記載しました。
AC長野パルセイロ:県から市へのスタジアム改修補助5億円
- 年度:2014年度(平成26年度)
- 支払主体:長野県
- 受取先:長野市(施設設置者)
- 金額:500,000,000円(決算額)
- 金額の精度:千円単位の公表値500,000千円を円換算
- 区分:プロスポーツ振興環境整備支援事業補助金
長野県の事業改善シートは、AC長野パルセイロがホームスタジアムとして使う南長野運動公園総合球技場の大規模改修について、長野市への補助を5億円と記載しています。当初予算額と決算額は同額です。
公式一次資料: 長野県「事業改善シート(26年度実施事業分)」
資料内の場所:PDF 1ページ、事業番号14 09 16、補助先「長野市」、当初予算額・決算額500,000千円。
重ねて数えないための確認:県から施設設置者の市への改修補助で、クラブへの現金給付ではありません。長野市側の改修費総額や国費など、同じ工事に使われた別の財源とは重ねていません。
V・ファーレン長崎:諫早市サッカー場の整備4億4,961万円
- 年度:2015年度(平成27年度)
- 支出主体:諫早市
- 支出の対象:諫早市サッカー場の整備
- 金額:449,610,000円(4億4,961万円)
- 金額の精度:1万円単位の公表値を円換算。1万円未満の実額は不明
- 区分:公共サッカー場の整備費
諫早市は、2015年度に行った主な事業として、諫早市サッカー場整備事業を4億4,961万円と公表しています。天然芝コートにはV・ファーレン長崎の優先利用枠がありますが、市民も利用する公共施設です。
公式一次資料: 諫早市「広報いさはや 2016年11月号」
資料内の場所:PDF 3ページ、平成27年度決算の主な事業、「諫早市サッカー場整備事業」4億4,961万円。
公式一次資料: 諫早市「諫早市個別施設計画(スポーツ施設計画)」
資料内の場所:PDF 62ページ(冊子49ページ)、施設の設置目的、利用状況、倉庫取得価格。
公式一次資料: 諫早市「諫早市サッカー場」
資料内の場所:主な施設と利用方法、天然芝コートのV・ファーレン長崎優先利用、市民向け使用料。
重ねて数えないための確認:449,610,000円は、万円単位で示された金額の換算値です。toto助成や倉庫の取得価格は整備事業費へ足さず、クラブへの給付額にも置き換えていません。
アビスパ福岡:東平尾公園の指定管理事業費3億3,272万4,000円
- 年度:2023年度(令和5年度)
- 事業の執行主体:公益財団法人福岡市緑のまちづくり協会
- 支出先:東平尾公園の管理業務に関わる複数の相手方(個別内訳なし)
- 金額:332,724,000円(指定管理事業費)
- 金額の精度:千円単位の決算額332,724千円を円換算
- 区分:東平尾公園の指定管理事業費
福岡市緑のまちづくり協会の決算報告書は、ベスト電器スタジアムを含む東平尾公園の指定管理事業費を3億3,272万4,000円と記載しています。これは協会が執行した事業費で、福岡市が協会へ同額を支払ったという記録ではありません。
公式一次資料: 福岡市・福岡市緑のまちづくり協会「令和5年度決算報告書」
資料内の場所:PDF 13ページ(冊子12ページ)、公3 指定管理、東平尾公園事業費332,724千円と2公園分の財源内訳。
重ねて数えないための確認:東平尾公園だけの財源配分と、ベスト電器スタジアムだけの費用は資料から分けられません。舞鶴公園を含む2公園分473,803,000円や、指定管理事業全体710,028,000円とは重ねていません。
京都サンガF.C.:スタジアムを核とした地域周遊促進事業1,200万円
- 年度:2022年度(令和4年度)
- 支出主体:京都府
- 補助先:資料に補助先別の内訳なし
- 金額:12,000,000円(執行額)
- 金額の精度:円単位の執行額
- 区分:スタジアムを核とした地域周遊促進事業の補助金
京都府の主要施策資料は、試合観戦と府中北部の周遊・宿泊を組み合わせた事業の執行額を1,200万円と記載し、全額を補助金としています。京都サンガF.C.への支払額を示す資料ではありません。
公式一次資料: 京都府「令和4年度決算 主要な施策の成果」
資料内の場所:PDF 48ページ(冊子43ページ)、スタジアムを核とした地域周遊促進事業、執行額12,000,000円。
重ねて数えないための確認:直前のPDF 47ページにある196,749,200円は別の広域周遊事業です。この1,200万円へ足さず、クラブの受取額としても扱っていません。
ベガルタ仙台:仙台スタジアムの運営・維持管理費1億2,121万円
- 年度:2023年度(令和5年度)
- 支出主体:仙台市
- 支出の対象:仙台スタジアム全体の運営・維持管理
- 金額:121,210,000円(1億2,121万円)
- 金額の精度:1万円未満を四捨五入した公表値
- 区分:施設全体の支出総額
仙台市の施設別資料は、仙台スタジアムの2023年度支出を1億2,121万円としています。光熱水費・委託費4,120万円を含む施設全体の支出で、ベガルタ仙台への支払額ではありません。
公式一次資料: 仙台市包括外部監査人「令和7年度 包括外部監査の結果報告書」
資料内の場所:PDF 113ページの施設一覧、PDF 120ページ(冊子116ページ)の仙台スタジアム詳細。支出12,121万円と端数処理の注記。
重ねて数えないための確認:121,210,000円は円単位の確定額ではありません。光熱水費・委託費4,120万円などの内訳を支出総額へもう一度足さず、クラブの利用分だけを推計していません。
ツエーゲン金沢:共同事業体への指定管理料8,998万9,000円
- 年度:2024年度(令和6年度)
- 支払主体:金沢市
- 受取先:金沢スタジアム共同事業体
- 金額:89,989,000円(指定管理委託料)
- 金額の精度:千円単位の公表値89,989千円を円換算
- 区分:金沢スタジアムの指定管理委託料
金沢市監査委員の公表資料は、金沢スタジアム共同事業体への2024年度指定管理委託料を8,998万9,000円と記載しています。共同事業体の代表は株式会社石川ツエーゲンで、ほかに2団体が参加しています。
公式一次資料: 金沢市監査委員「金沢市監査公表第20号」
資料内の場所:PDF 5ページ(Web抽出4ページ)、(4)金沢スタジアム共同事業体、令和6年度指定管理委託料89,989千円。
公式一次資料: 金沢市「金沢スタジアム(金沢市民サッカー場再整備事業)」
資料内の場所:施設概要、指定管理者「金沢スタジアム共同事業体」、代表団体と構成団体。
重ねて数えないための確認:共同事業体内の配分は資料に記載がありません。全額を株式会社石川ツエーゲンやクラブ部門の受取額にはせず、施設管理の対価として示しています。
サンフレッチェ広島:スタジアム指定管理料5,200万円
- 年度:2024年度(令和6年度)
- 支払主体:広島市
- 受取先:株式会社サンフレッチェ広島(指定管理者)
- 金額:52,000,000円(指定管理料の実績額)
- 金額の精度:万円単位の公表値5,200万円を円換算
- 区分:広島サッカースタジアムの指定管理料
広島市の業務実施状況は、広島サッカースタジアムの2024年度指定管理料を5,200万円と記載しています。計画額と実績額は同額で、指定管理者は株式会社サンフレッチェ広島です。
公式一次資料: 広島市「令和6年度 指定管理者の業務実施状況 広島サッカースタジアム」
資料内の場所:PDF 1ページ、指定管理者、指定管理料の計画・実績52,000,000円、市への納付実績113,202,000円。
重ねて数えないための確認:公有スタジアムの管理運営に対する支払です。指定期間全体の提案額499,000,000円に含まれる年度実績のため重ねず、指定管理者から市への納付113,202,000円とも相殺していません。
サガン鳥栖:駅前不動産スタジアムの改修工事3,952万2,000円
- 年度:2023年度(令和5年度)
- 支出主体:鳥栖市
- 支出の対象:駅前不動産スタジアムの改修工事2件
- 金額:39,522,000円(改修工事費)
- 金額の精度:千円単位の公表値39,522千円を円換算
- 区分:市有スタジアムの改修工事費
鳥栖市の主要施策資料は、駅前不動産スタジアムの改修工事2件に3,952万2,000円を支出したと記載しています。市有施設の工事費で、サガン鳥栖への直接支出ではありません。
公式一次資料: 鳥栖市「令和5年度決算における主要施策の成果の説明書」
資料内の場所:PDF 118ページ、体育施設維持管理経費、スタジアム改修工事2件39,522千円、親事業費44,032千円。
公式一次資料: 鳥栖市「鳥栖市の財政状況(予算・決算等)」
資料内の場所:令和5年度決算における主要施策の成果の説明書を掲載している鳥栖市公式ページ。
重ねて数えないための確認:39,522,000円は体育施設維持管理経費44,032,000円の内数です。別施設の設計委託料4,510,000円や親事業費を重ねず、改修工事2件分を一度だけ示しています。
施設費は「誰が受け取ったか」まで確認する
スタジアムに関わる金額でも、県から市への補助、自治体が発注した工事、指定管理者への支払、指定管理者が執行した事業費では、お金の流れが違います。クラブ名が資料に出ていても、施設全体の費用をクラブの受取額に置き換えることはできません。
建設・改修から運営までの見分け方はサッカースタジアムの建設費・維持費と公費、施設費を整理する基準はスタジアム・練習施設の費用の数え方で説明しています。