指定管理料は施設を運営するための公費
指定管理者制度は、自治体が設置した体育館、公園、文化施設などの管理を、民間企業や団体にも任せられる仕組みです。地方自治法第244条の2に基づき、自治体が議会の議決を経て指定管理者と指定期間を決めます。
指定管理料は、清掃、警備、芝生や設備の保守、受付、予約管理、光熱水費、人件費など、協定や仕様書で定めた管理業務の費用に充てられます。ホームクラブへの補助金や協賛金とは、お金の目的が違います。
クラブ単独・代表団体・構成員を分ける
クラブ運営会社が単独で指定されている
自治体からの支払先はクラブ運営会社です。ただし、指定管理料は施設の管理業務への対価なので、クラブのチーム運営へ自由に使える補助金と同じではありません。
クラブ運営会社が共同事業体の代表である
代表団体は自治体との窓口や全体調整を担います。指定管理料は共同事業体の施設会計に入り、参加企業への業務分担や配分が公表されない限り、全額を代表団体の収入にはできません。
クラブ運営会社が共同事業体の構成員である
クラブは芝生管理、興行対応、地域連携など一部の役割を担うことがあります。選定結果で構成員だと分かっても、共同事業体からクラブへ渡った金額までは分からない場合があります。
指定管理料、利用料金、自主事業、修繕費を分ける
- 指定管理料:自治体から指定管理者へ支払う管理業務の費用。
- 利用料金:施設利用者が指定管理者へ支払う料金。自治体からの支出ではありません。
- 自主事業:教室、イベント、物販など、指定管理者が企画する事業の収入と支出。
- 修繕費:指定管理者の会計に含む修繕と、自治体が別に発注する修繕を分けます。
- 年度実績:募集時の上限額や年度計画ではなく、事業報告や評価資料の決算額を確認します。
複数の施設をまとめて管理する契約では、会計も一括になることがあります。スタジアムのほかに野球場、体育館、プール、公園などが含まれていれば、合計額をスタジアム単独の費用にはできません。
公式資料で見る3つの共同事業体
長野市:長野Uスタジアムを含む3施設群
長野市の2024年度評価調書では、南長野スポーツマネジメント共同事業体に株式会社長野パルセイロ・アスレチッククラブを含む4社が参加しています。管理対象は長野Uスタジアムだけでなく、野球場、体育館・プール、テニスコート、公園施設と2つの市民プールを含む施設群です。
2024年度実績は、指定管理料2億7,150万円、利用料金1億942万2,575円、指定管理事業の支出4億2,057万3,742円でした。支出には修繕費1,061万523円が含まれ、自主事業は収入6,256万7,776円、支出3,019万3,610円です。いずれも施設群と共同事業体の会計で、長野Uスタジアム単独やクラブ単独の金額ではありません。
新潟県:公園全体とスタジアム別の内訳がある
新潟県の2024年度報告では、株式会社アルビレックス新潟と公益財団法人新潟県都市緑花センターによる共同事業体が、新潟県スポーツ公園、新潟スタジアム、野球場・園地などを管理しています。
共同事業体全体では、指定管理委託料5億2,437万4,000円、利用料金2億5,661万410円、管理運営経費7億4,883万4,522円です。このうち新潟スタジアムの内訳は、指定管理委託料7,386万5,000円、利用料金7,888万82円でした。施設別内訳があっても、共同事業体の構成員別配分とは別です。
町田市:12施設を4団体で一括管理
町田市の2024年度評価資料では、日本体育施設株式会社を代表とし、町田市スポーツ協会、株式会社ゼルビア、株式会社ギオンが共同事業体を構成しています。対象は町田GIONスタジアムがある野津田公園のほか、小野路公園、鶴川中央公園など12施設です。
2024年度決算は、指定管理料2億9,518万8,000円、利用料金8,437万円、駐車場利用料金2,302万1,000円、自主事業収入2,253万7,000円でした。支出合計は4億103万9,000円です。この表も12施設を運営する共同事業体の会計であり、株式会社ゼルビアへの配分額を示すものではありません。
指定管理料の全額をクラブ収入にしない理由
- 支払の目的が、チーム強化ではなく公有施設の管理運営だからです。
- 複数施設の一括契約では、スタジアム以外の管理費も含まれるからです。
- 共同事業体には複数の企業・団体が参加し、担当業務と配分が分かれるからです。
- 利用料金や自主事業収入など、自治体の支出ではない収入も同じ施設会計に入るからです。
- 人件費、光熱水費、清掃、警備、修繕などの支出を伴うため、受取額と利益は同じではないからです。
クラブへ実際に渡った金額を確認するには、共同事業体の構成だけでなく、業務分担表、再委託先、構成員別の配分、クラブ運営会社の決算までつなぐ必要があります。
指定管理料を確認する一次資料
- 指定管理者の募集要項、仕様書、選定結果。
- 基本協定、年度協定、債務負担行為。
- 事業計画書、事業報告書、自治体の評価・モニタリング資料。
- 施設会計の収支表、利用実績、修繕一覧。
- 自治体の予算書、決算書、工事・修繕の契約結果。
探し方と記録項目は指定管理者の事業報告を確認する方法、集計上の扱いはスタジアム・練習施設の費用で説明しています。